嘘の息子覚書控え

本家の控え

2021-05-06

某所より。
トレマーズ、最初見た時は「モンスターパニック映画って面白いんだな!」って思ったんだけど、いろんな映画を見るにつけ「ちげえ・・トレマーズが奇跡的に面白いんだ!」ってなっていく。」
命がけの高鬼、と設定だけは聞きかじっているものの、シリーズ通して未見。正確には、高いところにみんなでいる場面と、ラストシーンだろう周囲にせっつかれた主役らしき青年が覚悟を決めて告白でもするように歩いていくところだけ、テレビで観た気がする。有名な映画を未見なのはよくあることで、『スターウォーズ』の、今だとエピソード4になるのかな、1作めはテレビでざっと観ただけで、その次は未見。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』も1作めはテレビでざっと観た気はするものの、以降は未見。レンタルビデオ屋で映画を借りまくっていたASAは『セブン』が最高だと言ってたけど、それも未見。

「昔非オタの男友達に腐ってるのバラされたとき「オタクは趣味だけど腐女子は性癖なんだから気軽にバラすな!!お前も趣味がドライブとは言えても性癖がタイツとは気軽に言わないだろ!!!」ってぶちギレて「確かに…」と納得されたのを思い出した」

2021-05-05

松岡圭祐の『高校事変Ⅶ』をパラパラと。序盤は1巻の半年前。中盤以降は時間が飛んで、6巻の次に当たる時系列となって、というトリッキーな構成。どちらも甲子園球場を舞台に長いドンパチのアクションシーン。樋口明雄は『爆風カーニバル』のあとがきで、ガイド嬢相手に突っ込んだ質問をしたという東京ドーム取材の話題を書いていたけれど、松岡圭祐はどんな取材をしたのだろう。このご時世、ネットだけでも甲子園の情報はかなりのものが集まるだろうけど、ベストセラー作家ならではの工夫もあったのでは。因縁の相手とは最終局面を迎える予感を漂わせて、次巻に続く。詠美って死亡キャラのはず?

締め切り明けでハイになったらしきk女史から連絡。専用病院は住所の詳細非公開ってまるで秘密基地めいている。歩いて行けない場所に建てるなら送迎は車になるのも考えられる。ゴールデンウィークを費やしたものの修正待ちの心配があるそうで、二足のわらじは大変ですね。

「世界オタク用語標準化会議とかやって数年間の激論を経て世界標準オタク用語定義書とかをまとめるとかしない限りは、語義の揺れを巡ってのやんやはこの世の終わりまでついて回りそうだわ」

2021-05-04

似鳥鶏『生まれつきの花 警視庁 花人犯罪対策班』(河出書房新社)1600円(税別)
差別社会を取り扱ったSF小説。「特殊能力を有し、知力・体力も常人以上、さらに性格も温厚で、犯罪など起こさないはずの「花人」」が人口の2%を占めたという設定の現代日本で、花人犯罪と、その他諸々。3つの事件と終章のどんでん返し、それぞれの間に掌編が挟まる、どこかで同じ構成のミステリー小説を読んだような……確か、相沢沙呼の『medium 霊媒探偵城塚翡翠』がこのような構成ではなかったかな。偶然か、それとも誰かの意図した仕業なのか。ウィキペディアを見ると、霊媒探偵の方が「2019年9月 講談社」で1年ばかり早い。『生まれつきの花 警視庁 花人犯罪対策班』では、3つの掌編を、わざわざ色違いのページにデザインしている凝りようで、力が入ってる。

「『まどマギ』が「カルト的人気」とかでなく、社会現象的な人気を博した理由は、社会階層の風習の歯車に潰されていく日本社会の普遍的な苦しみと諦めの空気を、男性にも女性にも身近な「魔法少女」(それぞれ違う文脈だが)という設定を通して表現し、寄り添って本気で苦悩してくれたからだと思う。」

2021-05-03

BSプレミアムの『ウルトラQ』、第6話「育てよ!カメ」。夢物語のような奇天烈さ。4Kリマスター版だけあって、大きくなった亀を吊るす糸が見えてしまった。綺麗さの弊害、いや、昔はそういうものだと割り切りたい。

某所より。
「オタクのマスが初老を越えて市場がそのニーズに応えた結果、ループものと転生ものがあふれかえり、本来的にはまだその欲望を持たないはずの青少年に、あえて言いますが、いまやジャンルとして悪影響を与えるような広がり方をしています。」
耽溺したら危険な娯楽、そうかもしれない。でも、過去にも現実逃避に浸る娯楽は、手を変え品を変え、星の数ほどもあったはず。高齢なら沈んでしまうその沼も、青少年なら這い出して、新しい沼を作り出す側に回ることを期待してしまう。異世界チートよりも楽しく、たちの悪い代物を、どうか沢山。

「いい小説を読んだり、いい映画を見たりした後、「登場人物たちが今もあの世界で楽しんだり苦しんだりしているのに自分だけはもう二度とその世界で彼らに会えない寂しさ」が尾を引いて、しばらく余韻に苦しめられるという経験がある。いい作品ほどこの種の「苦痛」があるなあと、よく思う。」

2021-05-02

ふの付く某所より、2クール目放送中の『蜘蛛ですが、なにか?』に登場するカルナティア・セリ・アナバルドに寄せて。
「>TS大好きな人には刺さるキャラなのだろうか
めちゃくちゃ刺さります
アニメでは省かれたけどお姫様抱っこでメスおち自覚するのとても刺さります
山田にはメス堕ち気付かれてないのに他のクラスメートには完全にバレてるのとか最高です」
女体化transsexual fictionは一部に熱狂的なファンがいる印象で、具体的にどういうキャラクターが好まれるのか分からなかったのだけれど、なるほど。この分野では弓月光の少女漫画『ボクの初体験』(ウィキペディア曰く、「集英社週刊マーガレット』1975年39号~1976年14号に連載されたドタバタラブコメディー。」)が有名な古典的教本ながら、生憎、未読。

「>腕時計みたいなもんね
ほんとそう思う。チープカシオとロレックスが実用上差がなかったり
むしろチープカシオの方が高精度で酷使に耐えたりするの含めて
江戸期の刀工が書いた本にもお侍様品評会を批判したくだりがある
「匂だ沸だと仰いますが、鎌や鉈に匂や沸がありますか。
ならば鎌や鉈は切れませんか。匂や沸が刀の本質ですか」」

2021-05-01

似鳥鶏の『警視庁花人犯罪対策班 生まれつきの花』を少しずつ。一昔前ならアンドロイドだったポジションに超人類を据えたSF、かな? ある意味、先祖返りみたいな。

都市緑化植物園はマスク推奨ではあるものの開園されていて、バラ祭りは14~16日の予定だから、まだ少し早かった。有名人の名前が付けられたバラも多くて、この時期でもよく咲いていたのは真紅のマリア・カラス。案内によると、各地のバラ祭りからスタンプ3個集めるとプレゼントという企画があるのだとか。熱心なバラ好きが多いのかな。

午後に不審なビニル袋を発見、ちばき屋のお土産が入ってた。そう言えば、行けたら行くみたいな感覚でkがそれらしきメールを寄越していたので、確認してみたところ、やはりkの手によるものだった。有り難い有り難い。相変わらず新型コロナウイルスを警戒して、無音のまま立ち去ったようだった。雷雨に遭遇してなければいいけれど。

「>ぶらどらぶは50話くらいやらないとなんとも言えない内容なので今のままで終わったら「そんなのもありましたね~」にしかならない
八割くらいはイマイチな話だったなぶらどらぶ
二割は面白かったから50話って表現は分かる」

2021-04-30

「コミュニケーション(特に付帯情報が削ぎ落とされる、デジタル上の文字を使ったやりとり)は、送信者に対して受信者が好意を持っているか悪意を持っているかで、極端にいえば正反対の意味に受け取ることができる(解釈は各受送信者の属性に縛られる)ということについて、もう少し広まるべきだと思う。」

「【自分の小説がおもしろく思えない場合の対策】

・主人公に自分の名前。ヒロインに好きな女の子の名前をつける。

プロ作家さんに教えてもらいました。
すさまじくテンションがあがって、小説を書くのが楽しくなる秘訣だそうです。

公開する場合は、名前を一括変換しておかないと死にます(・_・;)」

「オタクの地位が上昇したというよりも、「コンテンツの拡大により自己評価が高い人達がオタクを名乗るようになり、それまでオタクとされていた人々は陰キャと呼ばれるようになった」が正確なところではないかと考えています。」

「久しぶりに加工の現場に行ったらウエスが一番安い「色・柄付き古Tシャツ系」のやつになってた。コストダウンかと思って現場に聞いたら「コロナの影響でシーツとかタオルとかの古リネン系の上質のウエスが手に入らない」らしい。そうか、ホテル・旅館業とかが回らないとこういう影響もあるのだな。」

「オカルトホラーを書いていて気をつけなければならないのは作品に没入するあまり「自分の影に怯える」ようになる作家が多いこと。これは心霊物に限らない。UFOも魔術も超古代も古史古伝も同じ。
エンターティンメントと割り切らないとカルト化する。」

「一軸のストレスには人は耐える…というか、ストレスに感じない、気づかないけど、少しでも違った軸のストレスを受けると、軸が違うストレスを受けると、ポキリと行くんだなという気持ちになっている」

「打ち切られるとね
次は絶対に失敗できないって思うの
で、いざ書き始めると書いてるのが全部ダメなように見えてきて一生進まなくなる」

「俺はこういうひたすら一つの風景だった記憶に徐々に異物が混ざることで色づく展開に弱いぞ…」

「もっと早く出会えていたら…
はこれから幸せな時間で埋めていこうなってパターンなんよ」

「なんだ、えーと、このー、普通なら「いいえ」としか答えない話に、手練手管を駆使して「はい」と言わせにくる作品に、まんまと「はい」と思わされたときの快感よね。そういうものを求めている。」

「(進撃の巨人
クリア条件は…奴隷役のミカサと主人役の俺が大スペクタルののち俺が道を誤ってミカサが愛ゆえに俺を殺して止めるラブストーリーを始祖ユミルに見せる!?
助けてくれハンジさん他の方法を教えてくれ…」

「気に入らないAVでも勿体ないから数回抜く時代は終わった」

「攻撃的なスタンスなのは性分は臆病だったり小心であるが故の自衛だったんだろうなという気がするな」

「なぜ碇ゲンドウがそれほど甘やかされねばならないのか、よく理解できない。膝を抱えて心のうちに閉じこもるのは、拘置所でゲンドウがすべきことだし、農作業に勤しむのも、懲役刑が確定したのちに刑務作業でゲンドウがすべきことだろう。」

「もし面白い本を読んだり作品を見たりしたら、あなたは一旦それを先生だと思うべきなんです。先生だと思って何年かかけて一生懸命読解してから、やっぱり先生だったと思ったり、案外クソだったと思ったりするのかもしれないが、とにかく最初は先生だと思って己を虚しくして読むんです。」

「若オタがなんの気なしに思いつきで適当に渡っていくシーンがオタクの真ん中になるので、おいさん二呼吸遅れくらいで足腰よじりながらついてかないといけないんだよ…。」

「惚れた相手には弱みを見せたくないというのは男女共通で良くある話
だが現実は甜花ちゃんみたいな半べそかいて泣きつくタイプの方が男心にヒットする」

「樋口明雄はウィットに富んだ文章書くから小説的で好きだったな
ミシシッピー殺人事件とMOTHERのゲームブックやったけど
どっちも映画オマージュやジュブナイル性高くて何度も読み直した
ルパンもやってたのね読みたい」

「「正史が自分を包括してくれない」に何度も直面して、いかなオタでもさすがに我にかえるようなとこあるじゃん。いやほんと、「なかったことにされてたまるか」という感情だけは手塩にかけて育てていかにゃあ長くオタやる甲斐がないってもんだよ。」

「それぞれの年代で自分が一番感受性の強い時期を一緒に過ごした作品から影響を受けてその後の人生を引きずっていくものらしいので、『おれらが若い頃はすごい作品が山程あったが後の世代には強いインパクトの作品がなくて気の毒』と言ってるのは感覚が衰えて反応できなくなったおっさんのいらん世話。」

「にわか無きジャンルに未来無し
どんどんにわかは増えて欲しい」

「バニーガールの手首のとこに袖とカフスだけついてるのあるじゃん、あれもあえて手首に袖だけつけることで存在しない長袖を意識させて腕がむき出しになってますよってことを強調する、計算式を「長袖からの引き算」に変更する効果があると思うんだよ」

「事あるごとにこの時どう反応するかなって考えてるのはもう恋してるレベルの気にかけ方だよ」

「>名誉釘宮
りぜる
エーデル
レモンちゃん
これをもって釘宮三分の計と為す」

「「AIMが下手な自覚があるなら一発打つのに時間を掛けるな。連射して水平に薙ぎ払え。と思ってる。

狙いすまして一発撃って当たんなかったら戦場から2年位撤退する奴いるじゃん。マシンガンを持て、水平に横に撃てって感じだよマジで。一発当たったらとりあえずそれで良いんだからさ」

「そこで同級生2ですよ。アレはよーく分解してみると恋愛ゲーム(同級生1)のアンチになっており、ヒロインの悩みを解決しすぎると落とせないという凄い構造になっている。よくあんなんつくったよなあ。」

「男性にとってハーレム的状況が現実離れしているのと同程度に、女性にとって事業家として正当な社会的評価を受ける状況が現実離れしているのだ。」

「弱者や病人や困窮者の側にも「人に助けてもらう」という事態そのものが、自分が弱者である自認をさせて辛い。それを否定するために「助けてもらって当然である」と居丈高にならざるをえない人もいる。人類のだいたいの問題は、心がけより、テクノロジーで解決することが多いし、そうしたほうがいい。」

レコード屋さんにおいてたペラ紙のバイファムニュースってのが当時不思議な存在だった
今にして思えば販促半分遊び半分で公式が配布してた同人誌みたいなもんだったのかねぇ」

「オリジナリティーがどうとかいう以前に、コピーが上手い人間の方がはるかに良い作品を書く」

「ハア...ハア...きっと王様が...龍が...
「おオ!よくヤってくレた!」
王様!...王様?

世界を背負う小さな肩END」

「>一時期レディースコミックで
>チャラくてモテモテなんだけど芯は真面目で釣られる女を軽蔑して捨ててるイケメンが
>合コンの数合わせ・残業押し付けとかで視界に入った地味子が気になっていって
>付き合ってみたら美人で有能でイケメンがぞっこんになるって展開の作品めちゃ多かった
冴えない俺が美少女に~みたいなのとまったく変わらんな」

「>創作の世界じゃなくても良い仕事する現場はプライドの高い人間達が喧嘩してる
いい物産み落とすスタッフはこれ真理よね
そして大抵いつか喧嘩別れする」

「(伊藤静
>実は離婚してたと聞いてショック
酒の好みの不一致だったのかな…」

「なんでもポルノコンテンツベースで考えるのをフロイト的解釈と言い直すとマジでカッコいいって教えてもらったから今は自信がある」

「『キャプテン』の読み味、何かに似てると思ったら、『百年の孤独』だ」

A.D.POLICE
OP良し、内容良し、ED良し。
90年代末期のテレビ東京の深夜アニメは面白かった。」

「天才の中には、たまに天才すぎてこの先の時空感において自分の出来ることの果てまで見てしまい、突然創作やめちゃう人がいて、今んとこ人生でそーゆー人に三人会ってる。ヒトもうらやむ物凄い絵を描いてる人たちだったけど、その人の人生はその人の人生。」

「即売会で3万くらい使って肩がえぐれるんじゃないかと思うくらいの同人誌を持ち帰り、お風呂に入って疲れた脚を労りながら戦利品を読み漁る。その日の内に消化しきれず「明日も休みで良かったぁ」と思いながらユックリ眠りに付くってのをまたやりたいなぁ」

「>異世界恋愛上位の「~!お前との婚約を破棄する!」から始まる率の多さときたら
婚約破棄はそこからどう話を広げていくかを楽しむジャンルだから
寿司飯の上に載せるネタの工夫をするようなもん」

「今の若い子って「アオハル」とか「JKブランド」とか「制服ディズニー」「映え」とか、自分たちがやってることをかなり客観視して、それを演じるのが上手いよね

振り返ったら青春だった、っていう不器用な生き方じゃなくて、かなり意識的に「青春ってこうだよね」をやっていて、シニカルで面白い」

「なろう小説は読者の精神年齢が低い、と言われるが私はこれは違うと思っていて、精神年齢が低いんじゃなくて、精神年齢が低い状態にして作品を読みたい時が誰にでもあって、その時に読みやすいのがなろう小説なんじゃないかな。普段分厚い法律書が愛読書でも、ぷいきゅあ頑張れって時、あるじゃん……。」

「「ガリ勉」ロールモデルを必死でキープしてる子見て、「そのやり方じゃ大学受からんだろ」とよく思ってたけど、今思うとあの子にとって大事なのは「ガリ勉」のロールモデルに収まっていることであって、結果ではなかったのかもしれないとよく思う。」

「ボクはゲームが上手いことよりも、ゲームを楽しむことが上手なことの方が大切だと思うよ」

「数式は言語なのでこの辺りはもうそういう文法なのだと納得するしかねえ」

以上。