嘘の息子覚書控え

本家の控え

2019-11-15

NHKラジオの「すっぴん!」、「金曜映画劇場」で紹介された『丑三つの村』が面白かった。横溝正史の『八つ墓村』は、未読ながら、津山三十人殺しを題材の一部にしていたそうだけど、西村望原作の『丑三つの村』は津山三十人殺しそのものを題材にして、1983年1月に松竹富士で配給。当時、『男はつらいよ』にべったりだった松竹としては、この内容の映画製作に難色を示し、監督自身が制作費を集め、ロケ地に名乗りを上げる場所が無いので近々ダムに沈む廃村を利用、主演の古尾谷雅人無人の廃村に一人で住み込んでの役作り、予告編も外部に発注、この項続く。

「昨日来た姪(高1)は演劇を観るのがまだ二回目。アニメや映画で育ってきて、演劇はどう思ったかと聞くと。干渉可能性が怖いと。つまり立ち上がって叫べば芝居を壊せるという事実が恐ろしく、客席で緊張するのだと言う。よく客が入って芝居は完成すると言うが、そのことを本質的に理解してるのだな。

あと面白かったのは、「君たちには無限の可能性がある」(セリフであるんです)とか言われると、途方もなくて怖い、むしろ有限であって欲しい、と。確かに15歳の頃はそうだったと、はっとした。」