嘘の息子覚書控え

本家の控え

2019-07-13

水田美術館の水田コレクション「浮世絵版画の技巧」へ。早く着いたので、隣接するフロアに新しくできたカフェで一休み。前に訪れた時には無かったはず。30点ほどの展示を解説員が1時間ばかり、丁寧に解説してくれた。浮世絵版画は手に持って鑑賞するように摺ってあるので、美術館にあるような壁に額縁の展示だと、たとえば螺鈿を使った光の反射などは見えづらくなっているから、しゃがみこんで見上げるように鑑賞すると良い、等々。ところで、館内で1番気になったのは、実は展示物ではなくて、とある老人の不自然な挙動。手に持った帽子の辺りから、ずーっとカチカチという音が聞こえてきて、じっと観察してみると、何やら小さな黒い物体を握り込んでいる模様。察するに、どうやら万歩計を振り続けているらしい。医者か、身内か、誰かに数字を見せなければならないのだろう。でも、歩きたくないので、美術館の中に立って、あるいは座って、ずっと万歩計のカウンターを進めていたと思われる。見せられる方はそれを知っているのか、いないのか。

「全体的な夢野りあむイメージとしては「他人を一切信用してないのに他人の評価を物凄く欲する女」ですね」