嘘の息子覚書控え

本家の控え

2019-08-04

この世界の片隅に』で、呉の海に浮かぶ軍艦をスケッチしていたら憲兵にどやされる場面を見て、とある海外ドラマを思い出した。少し前に、BSプレミアムで全シーズン放送終了した、『刑事フォイル』。その第1シーズン第1話の冒頭が、海の見える花畑だったかな、老人が妻を写真に収める微笑ましい場面……と、見せかけて、通りすがりの自転車郵便夫に通報され、軍艦を撮影した外国のスパイと疑われた挙げ句に夫婦共々投獄されるという展開だった。洋の東西を問わず、当時は防諜にピリピリしていたという状況を示したかったのだろう。隠しカメラやマイクロフィルム、古き良きスパイ物の小道具も、今となっては骨董品。撮影とネットでの拡散が容易になりすぎて、スリルやロマンとは掛け離れてしまった。それでも、盗聴器にまだ一定の需要が残っている感があるのは、『平凡な革命家の食卓』に登場したからか。

「オタクがアニメに影響されて何かを始めるシリーズ、大抵のオタクはすぐ飽きて止めるんだけど、ごく僅かな数人は一生続けてその道のプロになってんだよな。多分今この瞬間、10年後にボディービル大会でトロフィーを持つ1人のオタクの人生が始まったんだろうな。」