嘘の息子覚書控え

本家の控え

2021-11-11

オークションの森雅裕の件を無糖さんにメールしたところ、貸していた『マン島物語』がもう読み切れない、との返信。『マン島物語』や『歩くと星がこわれる』は、はまるものがないと厳しいかな。『サーキット・メモリー』なら読みやすいと思われるし、やはりオペラ3部作がとっつきやすい。五月香ロケーションの2冊は……作者の本の中では最初に触れたものなので思い入れがある分、久しく読み返していないので、改めて読むとイメージが崩れそうで怖くもある。

「父親から見たら息子というのは、「自分を越えた息子」か「自分を越えられなかった息子」か、そのどちらかしかないわけですよ、理論的に言って。

 ところが、父親というのは、普通、前者を認めない。だから世の父親にとって、息子というのは、良くて自分と同等、残りの大半は「自分ほどではない」のばっかり、ということになる。

 一方、息子というのは、父親の承認――それも、「お前は俺よりすごい」という承認――が欲しくてたまらない。

 だから、ほとんどすべての父―息子関係は、悲喜劇になるわけですな。だって、欲しいものが与えられないことの方が圧倒的に多いんだから。」