嘘の息子覚書控え

本家の控え

2022-06-03

月原渉『使用人探偵シズカ ─横濱異人館殺人事件─』(新潮文庫nex)550円(税別)
時代は明治、横浜で治外法権が確立した外人居留地にある洋館を舞台に、嵐の山荘と見立て殺人、そしてどんでん返し。探偵役は、明言されていないものの日露混血の苦労人らしき栗花落静。物語の終盤、連続殺人の犯人とトリックが説明される辺りから、当初は物語の主人公だったキャラクターは出番を失い、探偵と犯人だけが存在するかのようになる。そこが落ち着かなかった。雰囲気は悪くないので、シリーズが4作ほど続いているようだから、いずれ読んでみたい。

kは、今度は消化器系を患ったようで、なんだか病弱キャラみたいになってきた。半月ばかり悩まされて、診察を受けても即座に回復とは至らないらしく、長引いている。果たして珈琲豆を届けても大丈夫だろうか。

「バスで後ろに座ってた男性が学校?塾?の先生らしく「授業中に子どもらがざわついてるから何気なく、ハイ!全集中の呼吸?!って言ったら「エ?今の何?」「懐かしすぎる」ってすごいザワザワして…」とこぼし、もう一人の男性が「世の中、何もかもが速すぎるよね…」と応えてて味わいがすごかった。」