嘘の息子覚書控え

本家の控え

2020-02-10

浅倉秋成『教室が、ひとりになるまで』(角川書店)1500円(税別)
とある私立高校のクラスカースト上位陣が連続自殺、同じクラスの主人公が非現実的能力を足がかりに謎を追う。フォントいじりが功を奏するのもあって、声付きビジュアルノベルにしても合いそうな1冊。魔法や超能力と呼んでもいい非現実的能力が登場するミステリーなので、その力を縛る絶対的ルールをどうやって設定するか。ここがあやふやだと物語がつまらなくなってしまう。この本では、4種類の能力が1つずつ4人の生徒に代々受け継いでいる旨、匿名の卒業生からの手紙という形で主人公に提示され、それを信用するのがルールとなっている。主人公に知らされる能力の詳細は、あくまでも主人公が使える1つの能力だけ。他の3つに関しては、校内図書館のどこかにヒントが載っている、という謎の見せ方が面白い。

紅茶を2杯飲みながら、1時間ちょっとの点検待ち。苺のお菓子は辞退した。次回は魔法10個では効かない痛い出費になる予想。

「本や映画たくさんを読んだり観たりした分を燃料にして軽やかに走れる人と、そのまま負荷になって足取りが重くなっている人がいる気がする。」