某所より。
「最近読んだ村田沙耶香の小説に「正常とはこの世で唯一許された発狂のことですよ」と書かれていたが、勤めている会社、年収、学歴、その他諸々の人生に関わることのすべてを常に他者と比較しながら「俺はまだ正常な方だ」と信じて死んだ目で働いている人をみるとこれは本当にその通りだなと思う。」
大なり小なり全人類皆狂ってるみたいな発想は、だいぶ前にも聞かされた話で、おそらくはもっとずっと昔から言われてることなのだろう。肉体の健康はある程度まで数値化されているけれど、精神の健康はどこまで数値化されているのだろう。
某所より。
「高橋源一郎が「親とか社会とかが教えてくれる正しいことじゃないことをいつも遊びながら教えてくれる人、それが<おじさん>なんです」と言っていたが、なんだそうか、おれは<おじさん>なんじゃん。」
そういう人物は近くにおらず、教える相手もまた。
「しかしそうか。批評に関心があってアニメを対象として発見した人と、アニメに関心があってそれを語る言葉を探す過程で批評に出会った人では、語彙に重なる部分はあって会話も多少成り立っても、見ている風景も根本的な興味も違うんだよな。」
